高脂血症ってどうすればいい?

血管の中には血液はもちろん、脂肪も一緒に流れています。
脂肪に善玉(HDL)と悪玉(LDL)があるのは、ご存知の事と思います。
それでは、次の絵を見てください。


上の右の絵の状態は動脈硬化といわれる状態です。もし、心臓の血管に起きれば"狭心症"、悪化して詰まると"心筋梗塞"になります。そのため、LDLコレステロールは悪玉と呼ばれています。
それに対し、HDLコレステロールは血管の壁の中に入り込んだLDLコレステロールを血管内に引き戻し、動脈硬化になることを予防してくれるため、善玉と呼ばれます。
それ故、善玉と悪玉のバランスが大切なのです。
じゃあどうすればいいの? ~食餌療法が一番大切~
胃袋はただの袋です。目盛りも何もないので、よくいう腹八分目 なんて解りようもありません。満腹になって初めて一杯だとわかります。それなら、満腹まで食べましょう。
ダイエットと聞くと"食べない事"だと思っている方が多いですが、正確には"身体に良いものを食べる"という意味です。
何かを食べたらダメ!ではなく、何を食べたら良いのかを考えるほうが楽しいと思いませんか?
難しく考えずに、あまりカロリーの高くないもので、自分の好きなものをたくさん食べれば良いのです。(栄養バランスが良ければ、当然そのほうが良いのはもちろんですが...)
カロリーが高いか低いか解らない?選んだものに自信が無い方にいくつかコツをお話しします。
※コツその壱:善玉を増やすために魚・鶏肉を食べよう(残念ながら鶏の皮は悪者)!!
青魚にこだわらず、食べる習慣をつけることが大切です。
※コツその弐:悪玉を減らすために豆腐・野菜・キノコ・山菜など低カロリーでかさ張るものでお腹を膨らませよう!!
冬にはタラちり鍋、湯豆腐、温野菜など、春には山菜、夏には 冷奴、サラダ、そうめん、冷麦など、秋にはキノコを、刺身なども良いです。
自分なりに好きな低カロリーの食べ物をみつけて、たくさん食べましょう。
※コツその参:ひとつだけ禁止するなら、卵の黄身をやめよう!!!
望ましい1日のコレステロールの摂取量は200mg/日以下(日本動脈硬化学会推奨※1)と言われていますが、卵の黄身1個で悪玉が260mg/dlあります。
(※1 日本動脈硬化学会の動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012では、伝統的な日本食(The Japan Diet)を推奨している。このなかに、高LDLコレステロール血症患者が食事療法を行う注意点として、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、コレステロールの3種類の脂質成分の摂取をとりあげている。日本における摂取実態を鑑み、飽和脂肪酸4.5%以上7%未満、トランス脂肪酸の摂取を減らす、コレステロール200mg/日以下とした。)
運動療法もとても効果があります ~1週間で21Km歩こう~


上のグラフを見ると、20km/週以上(橙色)を境界に明らかに数値が変化しています。極端にいうと、"1週間に21km"を目安に運動(ウォーキングも可)すれば良いのです。
え、そんなに!?と思うかもしれませんが、普段の生活の中ですでにたくさん歩いているので、不足分だけ運動すれば良いのです。
運動療法(ウォーキングを前提)の実施方法
①1週間単位で行う:雨天もあるので、1日のノルマにせず週単位で!!
②万歩計を購入(スマホのアプリだと距離計測機能付もあり)
③自分の歩幅が何cmなのか測る
④最初の1週間は万歩計をつけて普通に生活し、日常生活の1週間でどれだけ歩いているかを知る:不足分を知り、その分だけ運動!!
※とりあえず、やれることから始めましょう!!